写真目録
ア ラ ムー ト城
アラムート城はテヘランから北西
130Km
のアルボルズ山系の山中にあり、アラムート
川の渓谷奥深くに位置している。
1.アラムート城の北東からの全景。山城は
700m×380mで、比高250mの独立
した岩塊の狭長な頂部に構築されている。
2.山城の北にあるアルボルズ脈の支脈ホ
ーデガンの山から見下ろしたアラムート城
(中央の黒い岩塊)。すぐ下にガゾルハン村
が見える。
3.山城を北西から眺む。北東側(左)は切
り立った崖、南西側(右)は急斜面の岩肌が
露出している。
4.頂部中央の遺構。城壁の崩壊した角礫
や漆喰が散在している。
5.北西部の城壁。上部は崩壊が著しい。
6.北西端部の頂部直下の急な崖に切り込ま
れた3つの貯水槽。その一つには岩肌にも拘
らずぶどうの木が生えている。最大のは13
m×4m、深さは約5mもある。
7.同様に岩に切り込まれた貯水槽。
8.山城北東端にある岩の割れ目。当時この
割れ目力雄一の登り口だったと考えられる。
その中央に城壁が築かれ、すぐ右上に岩をく
り抜いた部屋がある(2つの黒い部分)。
9.上述の部屋の内部。
1 0.南西斜面中腹に岩を切って造られた長く伸びる貯水路。
1 1.城の主要な遺櫛は北西の頂上部に集中しており、これは建造物遺構の一部である。
ラ マ サ ル 城
ラマサル城はアラムート城と同様にアラム
ートの谷の奥深くにあり、アラムート城から
西へ50kmにある。
1.ラマサル城を南から眺む。山城は南北430m、東西240m、比高140mの独
立山塊の斜面上に構築されている。
2.城の南部から村落を見下ろす。村の向う
にシャールード川が流れている。
3.城壁は保存良好で高さ3~5mある。左下には細い沢が流れている。
4.城の南端の遺構群。
5.切り立った崖の部分は城壁を造らず、し
かも岩を削って垂直にしている。崖上には見
張塔がある。
6.山城東壁の一部。城壁の各所には写真右
のような塔が構築されている。
7.山城東部の建造物遺構。天井部はアーチ
状(下は埋まっている)を呈している。左上
に見えるのは山城頂部の建物である。
8.南部テラス上にある岩に切り込まれた貯
水槽。大きさは5m×2m、深さ2m。水洩れを防ぐため内部には漆喰を塗り、上部には
乾季に蒸発を防ぐための覆いが構築されてい
たであろう。
9.山城頂部の建物(写真7参照)内部。角
礫を漆喰で固め、天井はアーチ状を呈してい
る。この建物が城の中枢だと考えられる。
10.山城のほぼ中央にある建造物遺構。
11.山城の東を流れる細い沢(写真3参照)
の所にある城の採水場。
第 一次隊 一般 調査
アラムート渓谷にはアラムート城・ラマサ
ル城のほか数多くのイスマイル派山城がある。
いずれも山中の奥深〈に位置している。
1-2.ビデラン城と見張りの砦 タリカン
川とアラムート川はビデラン城のところで合
流してシャールード河となる。写真1は主城
で、頂上部と斜面に建造物址と貯水漕が遺さ
れていた。山城から続く稜線上に3つの見張
りの砦があり、写真2は最西端(合流点際)
の砦である。
3-4.ネビザルシャー城 アラムート川の
上流最も奥の山城で、基地とした村から登り、
2日がかりで到達する。険阻な岩山上にあり、
多くの建造物遺構が遺されている。
5-6.イーラーン城 アラムート城の東方
にあり、露岩の狭い山頂に、岩を切り込んだ
建物雄と貯水漕が遺されている。針面(写真6)には岩の切り込みが多数散在している。
7.アンデイズ城 アラムート川の支流を奥
深く入る山中に位置している。イーラーン城
と同様に、露岩の極めて狭い頂上部に岩を切
り込んだ貯水漕がある。
8-9.マイムンデイズ城 他の山城と全く
異なり、山頂に構築されておらず、自然の洞
穴を利用した城である。下から10~20mの
高さの所に8つの洞穴が並んで開口している。
そのうちの一つに入ってみたが、奥行は150
mにも達していた。しかし生活面として利用
できるのは入口付近だけである。入口の周囲
は角礫を漆喰で固めた壁が岩肌に構築され、
敵の侵入を防ぐと共に壁上を伝って隣の洞穴
に往来した。洞穴内部の岩肌には漆喰が厚く
塗ってある。城は写真9の岩山の左下裾にある。
ゲルドクーフ城 |
ゲルドクーフ城はテヘランから東へ約280kmにあり、エルボルズ山系の南端がカヴイル砂漠と接するところに位置している。
1.山城の全景を東南から眺む。城は高さ約250mの独立した岩塊の頂部全面を利用して構築されている。頂部の大きさは直径約420mのほぼ円形を呈している。裾野には山城を取囲む外城壁が見られる。
2.カヴィル砂漠北端から眺む。背後にはアルボルズ山系の支脈が続いている。
3.山城を8km東の山から挑む。圧にカヴイル砂漠、右のアルボルズ山系の支脈の末端に一際そびえている(正面)のが山城である。
4.南から見上げた山城近景。頂部は西から東へ緩斜面を成している。
5.頂上部東端の建造物遺溝。切り立った崖の上に構築されている。
6.山城の南麓に構築されている建造物遺跡。
その上方には幅l~3mのテラスが岩塊を一周している。
7.山城北斜面に構築されたダム。
8.頂上部にある岩に堀り込まれて構築された建造物遺構。村人は浴室と言っている。
9-10.頂上西斜面に構築された三つの貯水槽とその外壁。その一つは17m×4m、
高さ5mもある大きな貯水槽であるo
11-12. 裾野に城を取囲んで構築されている外城壁には、所々に建造物遺跡がある。
これらの遺構は、山城頂部の遺構に比して非常に粗雑に造られている。
13.裾野の特に東南に散在している直径約40cmの石弾。これらの石弾はモンゴル車が攻城の際遣う際使用したものである。
ガ イ ン 城
ガイン城はマシハドから南へ約300Kmクーヘスタン山地にあり、ガインの町から南へ6kmのところにある。
l.東の山からガイン城を見下ろす。城は南北に370m、東西幅は最小10、最大120m
の独立した山塊の頂部全面を利用して構築されている。写真右上方の村落はガインの町に続く南端の村である。
2.山城を南約10Kmの地点から眺む。正面中
央部の三角形の独立した山塊が山城である。山城は平地より高さ270mある。
3.頂部の東側城壁と北西端遺構群を眺む。
4.頂部中央の建造物遺構と東斜面中腹に構築されたダム状の防壁。
5-6.頂部北東端にある多くの部屋を残している建造物遺構とその内部。入口・通路・
部屋の天井はアーチ状に造られている。
7.城壁の一部に構築された見張り塔で、入口の大きさは高さl15cm、幅4cmある。この
ような塔は城壁の各所に構築され、全部で29遣っている。
8.頂部北端に岩を堀り込んで構築された貯水漕。長さ7m,幅3.5m、深さは少くとも4m以上ある。天井はアーチ状を呈している。
9.城の南西部のテラスに構築された遺構群を北から眺む。
10. 城の南端からガイン盆地を見下す。村へ向かって点々と続くのはガナート(地下水道)である。
11. 南西遺構群を南東斜面より眺む。
12. 城の北東端の遺構(5-6に同じ)を項部から見下す。
第二次隊一般調査
1.ロスタム城 ビルジャンドの東方の山地に独立した峻険な山塊に構築されている。
2.シャーヒン城 ガインの東南方の山中の独立した岩山(正面)に構築されている。
3-5.モメナバード城 ビルジャンドの東
方の山系奥深くに位置する独立した山城である。山城頂部にはガイン城と全く同禄な多く
の部屋を有する建造物および大きな貯水僧が遺されている。
6.シューラーブ城 ガインの北方の山地に独立した岩山に構築されている。
7.ビーフード城 ガインの北西方の山地にあるビーフード付の小さな山城(正面)。
8 ウニーク城 ガインの東方の山中ある低い独立山塊の頂部に構築されている。
9 アーハンゲラン城 アフガン国境近くの山系東端に位置し、遺構が良く遺っている。
10. サラヤン城 ガインの西方の山系深くに位置する山塊(正面)上に構築されている。
11.ドルフ城 ガインの東南方の山系中でアフガン国境近くに位置している(写真正面)。
12.ハサナバード城 ガイン西方フェルドース(昔のトゥン)の近くに位置している。
13.ハンランジャン城 イスファハーンの南西の平地に独立した山塊に構築されている。
14.メルネガール城 ゲルドクー城の東北に位置する山系中の独立した山塊に構築されている。
15-17.マンスルクーフ城 ゲルドクー城の東方に位置する山地に独立した山塊にあり、塔が極めて良好に遺されている。
18.フルク城 モメナパード城の北方にある近世以降の城。
19. ラージェヴァルディ城全景
20. フィールーズクーフ・ガレソルフ城
セムナーン周辺山城群
テヘラーンとダムガーンの中間、ゲルドクーフ城から約100キロ西南西セムナーン周辺にも多くの山城跡が見られる。
1 サールー大城 小城からの全景
2 サールー大城 城壁
3 サールー大城 内門と外門
4 サールー大城 内城門二階ホール
5 サールー小城 全景
6 サールー小城 内城門
7 サールー小城 城壁
8 シールカレ城 全景
9 シールカレ城 城壁
第三次隊一般調査
サンスズ城とガムチェゲ城はイラン高原北西部のザンジャーン地方にあるが、どちらもイスマイル派のものではなかったと思われる。
1 サンズズ城 全景
2 サンスズ城 城壁
3 ガムチュゲ城 全景
4 ガムチュゲ城 内城城壁外部