私について

 作業全般は、私、北川誠一(東北大学名誉教授)が進めております。1972年と1974年の調査に隊員として現地に滞在いたしました。

 1970年、1972年、1974年の三次にわたり、本田實信北海道大学教授はイランでイスマイル派山城の調査を実行しました。資料の整理と出版のための作業は本田教授が京都大学へ配置換えとなった後も続けられ、報告書原稿も作成されましたが、当時の厳しい出版事情のため公刊には至りませんでした。

 当初、資料は京都大学羽田記念館に保管されましたが、フィルムは劣化を避けるため京都大学博物館に移されました。本田教授の急死後、資料の管理は北川がおこなうことになりましたが、写真フィルム以外の資料(文献、地図、野帳、メモ、報告書原稿など)は、行方不明になっていることが分かりました。

 京都大学博物館に保管されていた写真フィルムは、2010年北川の手元に移管されました。整理は徐々に実施され、今年2014年9月には、山城に関する36mmカラースライドのデジタル化が終了しました。今後、4x5インチ、カラーおよびモノクロ写真、36mmモノクロ写真のデジタル化を進めます。また、成果の公開が求められますが、とりあえず、1974年1月に実施した報告会(カラースライド使用)、写真展示会(8切、モノクロ写真)時の調査報告概要をもとに36mmカラースライドをデジタル化した映像を公開することとし、2014年9月6日に、HP作成の練習をかねて要綱のみをアップロードします。テキストおよび映像も追加していきます。

 このホームページは、1974年2月2日におこなった報告会、および同年1月28日から2月2日まで実施した写真展をできるだけ忠実に再現することを目的としました。文章は当日配布した小冊子「イラン中世史跡学術調査報告」掲載のものを用いましたが、当日上映したカラースライドのリストは残っていませんので、ここで公開したものとは同じではありません。ここで公開した写真は報告書所載の写真展写真説明を参照して選び出しましたが、35mmカラースライドから起こしたもので、写真展で用いた4x5インチ白黒ネガ写真を引き伸ばしたものとは同じではありません。近日中に第三次調査(1974年実施)の成果を加え、イスマイル派山城調査の全体報告とする予定です。なお、最終的には35mmカラースライド写真を4x5インチカラー写真に置き換える計画です。                                  2014年9月19日 北川誠一